次にご紹介するのは少々身体を張った開運法です。 昔から伝わる祈願の方法として「お百度参り」というのがありますが、それを私なりにアレンジしました。
名付けて、「お百度参りウォーキング」です!
無心で歩くこと自体が自己浄化につながる
「歩く」ことは肉体運動の基本であり、それ自体が健康によいということは言うまでもありませんが、じつは開運(自己浄化)という点から見ても予想外のメリットがあるのです。
たとえば「禹歩」(うほ)という言葉があるのをご存じですか? これは中国の夏王朝を創始した伝説上の聖王・禹(う)がつくり上げたと言われる特殊な歩行術で、その基本は後足が前足を追い越さないようにすり足で進み、同時に特定の呪文を唱えるというものです。これによって禹は鬼神を召喚し、悪霊を祓い、病気まで癒したと伝えられています。
この伝説が示しているのは、歩くという日常行為でさえもやり方次第では呪術や宗教の域にまで高められるという真理です。
わが国の信仰を振り返ってみても、比叡山の千日回峰行(不動明王の化身である阿闍梨となるための修行のひとつ)、修験者が行う山岳行、あるいは四国のお遍路さんなど、苦難に耐えて無心で歩き続けることを通じて神仏との一体化を目指す修行法が存在しています。キリスト教やチベット仏教の聖地巡礼も信仰の対象こそ異なるものの、同様の霊的境地を目指した修行と言えるでしょう。
「お百度参りウォーキング」の実践法
難しく考える必要はありません。ほんの一、二時間、余計なことを考えずに歩き続けるだけでよいのです。もちろんお参りという名がついている以上、お寺や神社を目的地に据えることは不可欠ですが。
目的地の選択
まず地図を広げ(Google-Mapが便利ですね)、貴女のお住まいから半径3~5㎞以内にある神社仏閣を探します。ネット検索などでその歴史的由来や格式、御祭神なども調べましょう。
複数の候補がある場合、なるべく歴史のある大きな神社・お寺などを選んでください。特定の御祭神や仏様に惹かれるようでしたら、そこを選んでも結構です。
後は目的地に至るコースとして、できれば賑やかな街中よりも、海や山などに近い自然が豊かで物静かな場所を選ぶのが望ましいです。
都会にお住まいの方は緑豊かな公園などを歩行順路の一部に取り入れてください。
目的地が決まったらウォーキングを兼ねたお参りを、合計百回繰り返します。毎日続けて達成できればベストですが、お勤めなどがあると絶対に無理だと思いますので、週に1~2回くらいでもかまいません。
ご存じのように正式なお百度参りというのはお寺や神社の境内を一気に百回巡って、その間にひたすらお祈りを繰り返すわけですが、要するにその真意は「苦しいことや困難な状況をあえて自らに課し、それを成し遂げることで御神仏に対する誠意をあらわす」ということです。逆にこうしたコンセプトさえ損なわなければ別の形にアレンジできるというわけです。
仮に週二回行ったとしてお百度を成就させるまで50週間で約一年、週末の一日だけなら100週間、つまり二年近くかかる計算になります。多忙な現代人にとってこれはもう立派な苦行です!
歩き方についての留意点など
- 歩き始める直前に腹式呼吸で精神を落ち着かせる。
- 歩いている最中は無駄な言葉を発しない。街中を歩いていると知り合いに会うかもしれませんが、できるだけ無視(笑)。
- 地面に顔を落とさず、背筋を伸ばして一定の歩幅を保ちながらリズムをつけて歩く。
- 過去に瞑想や座禅の経験がある方は、そのときの精神状態を再現するようなつもりで歩く。
- 歩く時間帯は朝から夕刻までが望ましい。(神社仏閣への深夜の出入りはいらぬ邪気を拾う可能性がありますし、何よりも物騒です)
なお、この中で一番大切なポイントは、"3"の「一定のリズムをつけて歩く」ということです。 無心で歩くとは言っても、実際にはなかなか難しいと思います。とくに悩みや迷いが心中に渦巻いている場合、最初はそれらのマイナス想念がなかなか頭を去りません。でもそうしたとき、歩調を一定にしてテンポよく歩くことを心掛けていると、次第に自分の足運びと意識が一体化し、余計な雑念が消えていくのです。
無心の境地を目指すことで一定時間、自分の霊魂をニュートラルな状態に戻すことができれば、これだけでも開運効果があります。さらにこの浄化された想念をもって御神仏に願を掛けるわけですから、その願いはかなり強力な形で先方へ届きます!
補足
この開運法は私が別の記事で書いている「方位術を用いた開運」とは別のものですので、方位の吉凶などはとくにお考えにならなくても大丈夫です。それでも、もし気になる方があれば、奇門遁甲や気学などの月盤(毎月の方位盤)を基にして、目的地の方角が「吉」となる期間を選び、ウォーキングを開始してください。 |