電話占い紫苑の代表霊能者

天紫苑のパワースポット紀行
 
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第2回 恐山とイタコ
この天紫苑のパワースポット紀行、私が思っていた以上にご覧になられた方が多いようで、ホームページ上で公開後に鑑定をさせていただいた相談者の方から、「読みましたよ」「私も伊勢神宮へ行ってみたいと思いました」といったお声を頂戴しております。中には公開直後に、足を運ばれた方もいらっしゃいました。私以上の行動力をお持ちのようで驚かされました。美味しい伊勢うどんのお店情報もいただきました。
さて第1回の伊勢神宮からガラリと変わり、今回お届けするのは青森県下北半島の「恐山」です。ある意味ではパワースポットと言えますが、精神を浄化したり清浄なパワーを授かりに行ったりというような、明るい華やかな場所とは趣が異なります。
霊能系の話題に対する知識や宗教的な見識を持たれている方はご承知でしょうが、恐山は滋賀県の比叡山、和歌山県の高野山と並び、日本三大霊場のひとつとされています。つまり昨今のパワースポットブームとは違い、昔から霊的なパワーが集まる場所とされているのです。たとえば、青森県の人は、人が亡くなればその魂は恐山を通ってあの世へ行くと考えられているくらいです。文字通り“死者の魂が最も集まる場所”として、恐山は知られているのです。さて皆さん、その死者の魂と交信したり、あるいは自分の身体に憑依させる(降霊させる)ことで、生きている人と亡くなった人の意思疎通の橋渡しをするイタコをご存知でしょうか。肩書きを付けるなら、「霊媒師」ということになります。日本独自に受け継がれる伝統の霊能者のひとつと言えます。私が恐山を訪れたのは、あるイタコ霊媒師さんと久し振りに会うためでした。(先に申しておきますが、木村藤子さんのことではありません)
こちらでは、その方からの希望もあって、イタコ霊媒師さんの名前は伏せさせていただきます。しかしインターネットで検索すれば、すぐにヒットするイタコ霊媒師さんだということくらいは申し添えておきましょう。そのイタコ霊媒師さんも、恐山大祭において開かれるイタコマチのテントで相談に乗っていることもあり、私も恐山大祭の期間を外してお会いすることとしました。現在は岩手県の方にお住まいなのですが、わざわざ「紫苑さんが来られるなら、一緒に三途の川の橋を渡って恐山の極楽浜や宇曽利湖を歩きましょう」とおっしゃられ、ご案内いただくことになりました。
「恐山大祭や秋詣でのとき以外、普段の恐山は静かなものですよ」そんな言葉から始まった恐山ツアー。恐山菩提寺前の駐車場には、自家用車が2台とUターンする路線バスの姿しかありませんでした。しかしここは死者の魂が通る霊的な道、これで良いのかもしれないとも私は思いました。そして…辺りに漂う独特のにおい。恐山に参られた方も、ここをお読みの方の中にいらっしゃるかも知れませんね。文字として伝えるのは難しいのですが、漂っているのはいわゆる腐卵臭というものです。なにしろ恐山は温泉が湧くほどの火山ですから。
さてお寺の方へのお参りを済ませ、イタコ霊媒師さんとゴツゴツとした岩場を宇曽利湖まで歩きます。特に瞑想したり霊感を研ぎ澄ませたりせずとも、私の耳と言うより魂の方へ、死者の声が届いてくるのを感じました。霊感があっても弱い人は、あまり軽い気持ちで訪れてはいけませんね。イタコ霊媒師さんは当然ながら死者霊を憑依、降霊させるので、「声も聞こえるし感情も流れ込んできます。無念だったり満足だったり、お山(恐山)に来る死者の魂の声はハッキリと聞こえますよ」と話されていました。順路には小さな石像のお地蔵様があり、その背後に子供の霊体を見たときなどは心が締めつけられるような気持ちがします。
綺麗な碧色とでも言いましょうか、宇曽利湖は澄んでいるように私は感じました。恐山のゴツゴツとした岩場から一転、他には観光客もおらず、とても静かな極楽浜です。風に従って揺れる水面に、深い瞑想へと誘われるような心地さえしました。「少しだけ視てはどうです?」イタコ霊媒師さんに言われ、私は霊視をしてみました。浜辺に刺さった風車が回るのを、興味深そうに眺めている子供が見えました。もちろん、生きている子供ではありません。幼くして交通事故で亡くなった子供でした。「私たちイタコは、こうした不慮の事故で亡くなった子供たちも含め、死者の声を届けないといけないんですよ」そんな風に語るイタコ霊媒師さんの言葉は、とても重たいものだと感じました。私自身はイタコの修行をしたことはありません。イタコの師匠もおりません。ですから日本の伝統霊媒術を守っていく重荷を直接体感したことはないのですが、こうして実情を聞くことで数が減っていくばかりのイタコ霊媒師の大変さを感じずにはいられませんでした。
恐山大祭期間のイタコマチを見れば、まだまだイタコの数も多く伝統的な霊媒術が受け継がれていると感じるかもしれません。しかしそうではないのです。現役イタコ霊媒師の高齢化、後継者不足、なにより現在のイタコは、陸奥地方ではなく青森県の八戸や岩手県といった地域に住んでいるといった事実が現実を物語っているように思えます。電話占い紫苑の中にも、イタコ霊媒師として修行を行った霊能者も在籍しています。しかし肩書き上は“イタコ霊媒師”を名乗ってはおりません。電話占いは、たとえ青森県や岩手県に霊能者が住んでいても、相談者の声に応えることができます。霊能者にとっても相談者にとっても、それが利点であると言えましょう。イタコ霊媒師の後継者が減りゆく現状に対して、私にもなにかしらお手伝いできることがあるのではないか。イタコの伝統を受け継ぐ方と恐山を歩きながら、そんなことを考えていました。

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